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電源をつなぐと他に何もできないポート

2015年3月9日(米国時間)Appleが新しいMacBook・MacBook Airを発表した。
同時にApple Watchの詳細(発売日など)が発表になったが、それはおいておく。

AppleはMacBookにおいて、ポートをたった一つのUSB-Cポートに統合してみせた。それは、一昔前、iMacがフロッピーディスクドライブを持たずに登場した時以来の、衝撃的な登場だと言っていいだろう。

Apple自身は、こう言っている。

「ノートブックを最も効率良く充電する方法は、充電器をポートにつなぐことです。新しいMacBookに充電用のポートをつけるなら、間違いなく最も先進的で最も多機能なものにしたいと私たちは考えました。MacBookの新しいUSB-Cポートは、あなたがポートに求めるものすべてを一か所に集約しています。この画期的なポートはリバーシブルで、従来のUSBポートの3分の1のサイズしかないほど小さいのに、充電、USB 3高速データ転送、ビデオ出力のすべてを行えます。」(Apple公式サイトより)

Appleはこれまで、幾つものレガシーなテクノロジーに引導を与えてきた。そのことを僕はよく、Appleは絶妙にテクノロジーの間引きをしている、と表現してきた。
古くはフロッピーディスクをいち早く切り捨てたり、iPhoneにおける物理的キーボードを捨て去ったりした行為は、発表当時には相当の反発があった。業界内の他社を間接的に攻撃することにもなるからだ。AdobeのFlashをもはや必要のない技術だと断じたのも、そうした例の一つである。そして、その過激なスタンスこそが、彼らの革新性を作ってきたのは、紛れもない事実だ。

スティーブ・ジョブズが存命ならなんと言うだろう

本コラムのタイトルで、僕はジョブズを代弁して「やりすぎだ」と書いた。
まあ、それはちょっと釣りなわけだがw、思うにApple経営陣は、スティーブ・ジョブズの過激なまでの旧来テクノロジーの間引きを、真似してみたかったのではないか。

Techcrunchの論調でもそうだが、電源と拡張用のポートは僕は分けるべきだと思う。USB-Cに統合するならそれでもいいが、せめて二つつけるべきではなかったか?

例えば、このUSB-Cポートが筐体の左右についていたとすれば、充電もしやすいし、その他のデバイスとの接続も楽だろう。そのほうがはるかに良かったのではないかと思う。

もちろん、それを敢えて一つにすることで実現できたことは多いだろう。Reitnaスクリーンを搭載した上でのあのMacBookのコンパクトなデザインは、確かに魅力だからだ。

しかし、意図するところはわかるのだが、ユーザーにとっては、引き換えにしなければならないことが多すぎる。それに、MacBookはMacBook AirとMacBook Proの線引きも怪しくしてしまっている。せっかくシンプルにプロ作業用と携帯用と分かりやすくしたものを、再び曖昧にしたいその意図はなんだろう・・・。

Appleはスティーブ・ジョブズ亡き後も好調さを保っているし、その遺志をうまく引き継いでいるように見える。しかし、iPhoneやiPadにおけるプロダクトラインの煩雑化に加えて、今回のMacBookのリリースは、正直、ジョブズ的な要素の遵守をしようとしながら無意識に外れているような気がしているのである。

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